日時;2013年12月8日10:00~14:30
会場;千葉市ビジネスセンター多目的室(きぼーる)
参加者;42名
◇オリエンテーション実践発表発表者小学校;鎌田喜代美(船橋市立習志野台第二小学校)
中山理恵(荒川区立尾久宮前小学校)
中学校;奥山文子(荒川区立第九中学校)
高等学校;阿部英美子(千葉県立四街道北高等学校)
会員4名が、各校で行っているオリエンテーションを、実演を交えながら一人20分程度で発表しました。
*小学校低学年対象(鎌田喜代美氏) パワーポイントを使って、図書館のきまりや本の借り方返し方を説明します。
1年生には、とにかくまず本の借り方と返し方。新年度が始まって早々に1年生も図書館にやってくるので、時間割を調整してオリエンテーションを行います。
分類などはフロアーワークが主となります。「これがここにあるよ」ということが口コミで広がります。
3年生にはパソコンで検索の仕方、4年生以上は国土社から出版されている図書館クイズの本からクイズを出題します。
*高学年対象(中山理恵氏)
分類カードや案内板を使って、本の探し方を中心としたオリエンテーションです。
中学年には国語の単元「図書館へ行こう」(三省堂)にあわせて「クイズ図書館へ行こう」をしながら、ラベルと場所の確認をします。
高学年には「分類クイズ」をしながら、分類の内容を確認していきます。
*中学生対象(奥山文子氏)
中学校は、オリエンテーションの時間を確保することから始まりました。
その際の条件は「ブックトークを入れる」ということ。ブックトーク「新たな出発」とともにあるオリエンテーションです。
パワーポイントを使って「見える本」と「見えない本」、「引く本」と「読む本」など、生徒たちの注意をひきつけながら、中学生らしいちょっと知的なオリエンテーションです。
*高校生対象(阿部英美子氏)
学校図書館を使いながら、生涯学習として公共図書館が使えるようになることを意識しています。
「高校は義務教育ではありません。みなさんはここを選んできました。この図書館は、受験を通ってきたみんなと先生方が使う図書館です。」と、自覚的に使ってもらうことを最初にアピールします。
国語の時間をもらってオリエンテーションをします。1年生にはていねいに、しおりをもとに説明し、本を一冊借りる手続きをして読書タイムをとります。3年生には、進路での活用方法や公共図書館の活用について知らせます。
*質疑応答
「分類の説明をするときの主眼はどこにおいているか」という発表者からの質問がありました。
低学年にはまず「マナー」
たくさんの本が使いやすいように「仲間分け」して並べられている。それによって、自分の求める本を早く探すことができる。だからみんなが、読みたい本を早く手に取れるように、仲間分けしてあるところに戻さなければならない。
高学年には「分類の概念を知らせる」
上位概念下位概念。平たく言えば「広いことば」と「せまいことば」。分けるということは、分かるということにもつながる。
◇第2部 夏の研究会報告
2013年7月31日に開催された『日本子どもの本研究会全国大会』において発表した船橋市立塚田小学校の実践を、会員の中村貴子氏が報告しました。
今回、オリエンテーションを小中高という流れの中で見せていただくことができたので、発表者の個性が光っていたのと同時に、それぞれの発達段階にあわせた文言の使い方や児童生徒への問いかけが非常に勉強になりました。改めて『学校司書』の仕事や役割について考えさせられた一日となりました。