日時;2007年12月26日10:00~13:00
会場;千葉市中央図書館グループ研修室
参加者;6名
今回のテーマは会員がメーリングリストに寄せた疑問から始まりました。
「資料として古くなった本を廃棄するときの基準-例えば伝記だと『その人の評価が大きく変わった場合』とよく言われるけれど、誰の評価が、いつ大きく変わったか知らなければ、廃棄すべき本を選べないし、どのスポーツのルールがいつ大きく変わったとか、ルールが変わっても利用できるのはどういう本かとか・・・。知識が少ないためにちょっと古いと思いながら、廃棄対象にしきれない場合があります。書架がいっぱいになって利用しずらくなった時、予算が少なくて廃棄があまり歓迎されない市町村でも、自信を持ってこれは廃棄にしたほうがよいと言えるような知識を身につけたいと思っています(一般的に示されている廃棄基準通りに廃棄すると図書資料が本当に少なくなってしまうのが現状なので)。皆さんはどういう基準で廃棄しているでしょうか。また、選書基準はあるでしょうか。」
これを受け、それぞれの学校の選書基準や廃棄基準を持ち寄り、また、文章化していなくても、どのように判断しているか、現状に照らして話し合うことにしました。
自治体でマニュアルがあるところは参考資料として持ってきました。
千葉市中央図書館の『学校図書館の法規・基準』(全国学校図書館協議会/1997)を参考図書として借り研修しました。
文部科学省の『学校図書館図書標準』により、100%を割らないようにと言われている自治体もあります。
その他、学校図書館協議会の『学校図書館図書廃棄基準』『全国学校図書館協議会図書選定基準』。千葉県は
『学校図書館&公立図書館連携マニュアル』(千葉県教育庁教育振興部生涯学習課/2007年発行)が作成されています。この「2.学校図書館の整備」にも廃棄や選書について参考になることが書かれていますかし、これらはあくまで基礎基本でしかありません。細かな疑問についても話し合いました。
<討議まとめ>
・市内で最後の1冊となった本で、廃棄してしまうのに迷うような本は、まとめて市立図書館に集めるようなことができないか、相談してはどうか。
・「資料として古い本」の見極めは、正にTさんの発言にあった「どういう目的で本を使うか」につきるだろう。
・「全部チェックしきれない」ということに関して、最新の情報は、インターネットで確認できる。例えば何かのスポーツを子どもが調べに来たとき、ネットでルールを確認して、著しくルールが変わっていたら、次回本を購入するなど、必要になったとき考えればいいのではないか。
・国旗の本や地図も、毎年国名が変わり、市町村合併もある。年鑑や理科年鑑は毎年購入すればよい。国旗の本などは、小学校の場合、国旗そのものを調べるより、マークとして楽しむこともあるだろう。それなら、何も「この国はなくなったから廃棄」としなくても、もう少し蔵書としておく価値も生まれる。
・文学全集のダイジェスト版はあえて置く必要があるのか?その物語の重要な部分が省かれている場合もある。
・「走れメロス」など、小学生でも中学受験の必読書は文庫で入れればよい。
時間いっぱいになっても話はつきませんでした。次回の例会でも引き続き話しましょう。ということになりました。
鳥取市の小中学校司書が作成したパスファインダーを皆で見合いました。鳥取支部の友人(千葉支部Nの友人)が鳥取市の仲間に呼びかけて、千葉支部HPに掲載したパスファインダーワークショップの例会記事(旧サイト)を参考に作成したそうです。こうして他支部と交流できると嬉しいです。