日時;2018年8月17日(金)10:30~14:30
会場;公津の杜コミュニティセンターもりんぴあこうづ
参加者;26名
ビブリオバトルは、今やいろいろな所で開催され、中学校の教科書にも登場しています。
今回、『岩波ジュニア新書読みたい心に火をつけろ!-学校図書館大活用術-』(岩波書店/2017.6)を出版し、正しいビブリオバトルの普及や学校図書館の活動を広く知らせるために活躍していらっしゃる木下通子さんを講師にお招きしました。
午前中は埼玉県の学校図書館の様子とビブリオバトルの解説をしていただき、午後はビブリオバトルのワークショップを行いました。
講師紹介

埼玉県で専門・専任・正規の学校司書として長年勤務。現在、埼玉県立浦和第一女子高校担当部長兼主任司書。ビブリオバトル普及委員関東地区担当。埼玉県高校図書館フェスティバル実行委員長など、幅広く活動していらっしゃいます。
午前の部:講演
初めに埼玉県の学校司書の歴史、埼玉県高校図書館フェスティバルについて、ビブリオバトル普及委員としての活動や、勤務校にビブリオバトルを取り入れていった経過を伺った。
次にパワーポイント資料を使ってビブリオバトルのやり方や注意点をお聞きし、前任校でのビブリオバトルのワークショップビデオを見せていただいた。
午後の部:ビブリオバトルワークショップ
知的書評合戦ビブリオバトル公式ウェブサイトで公開されている『タイマー情報』からビブリオバトルタイマーをダウンロードしたが、動作環境のせいか、フル画面で映すことができなかった。
パソコンやタブレットにはタイマー機能があるが、ビブリオバトル専用のタイマーの方が、使いやすいということがわかった。
ワークショップは、3~4人のグループで予選を行った。なるべく知らない人同士で組むようにと木下さんからお話があった。
5分で本紹介、2分でディスカッションを行い、グループ全員終了後、どの本を読みたくなったか、指さしで決勝戦代表を決めた。
8グループであったが「決勝戦を大勢で行うと、最初の方の発表者の印象が薄れてしまうので、3人に絞りましょう」ということで、8人と木下さんでじゃんけんをして決勝進出者を決め、さらに、その3人がじゃんけんをして発表順を決めた。
決勝戦で、ディスカッションの時に質問が出ない場合、司会者が質問をすることもある。司会者は、発表内容をよく聞いて助け船を出せるようにすることが大事である。
3人の発表後、後ろを向いて立ってもらい、挙手で投票した。
もっと大きな大会の場合には、投票箱を設置することもあるそうだ。新聞社主催のような応援が来るような大会の時は、公正な投票になるように、組織票が入らない工夫をするそうである。
【決勝戦に進出した本(発表順)】
・『さよなら、スパイダーマン』(アナベル・ピッチャー著/中野怜奈訳/偕成社/2017.10)
・『始祖鳥記』(飯島和一著/小学館/2002.11)
・『未来を変えた島の学校-隠岐島前発ふるさと再興への挑戦』(山内道雄著/岩波書店/2015.3)
チャンプ本は、『さよなら、スパイダーマン』でした!
木下さんからも本の紹介があった。
『誰もボクを見ていない-なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』(山寺香著/ポプラ社/2017.6)。木下さんを取材に来られたことのある毎日新聞の記者による著作だそうだ。埼玉県川口市で起きた事件を毎日新聞の記者が丹念に取材したノンフィクションである。
【ビブリオバトルについての質問】
Q:小道具を使ってよいでしょうか?
A:学校や教育委員会で開催する大きな大きな大会では、小道具を使う人はいないと思います。子どもが聞き手の場合、小道具に目を奪われて本を選んでしまうかもしれません。ただ、大人が主催しているビブリオバトルだと、趣向を凝らす人もいます。
Q:通常開館している学校図書館で行って、他の利用者は大丈夫でしょうか。
A:前任校でも現任校でも大丈夫です。自習をしている生徒もいますが、苦情はありません。それが当たり前になっています。
(そういうことができるような環境づくりを木下さんがされてきたのでしょう。記録者注)
小中学校の司書が多かったためか、ビブリオバトルの経験者は意外と少な目でしたが、本の紹介は大好きな参加者たちですので、皆、楽しんでバトルしていました。また、木下さんのパワーに圧倒されている参加者も多かったです。
これから読書の秋です。楽しいイベントとして各学校で広まることでしょう。