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2019/03/17

2019年3月特別な支援を必要とする子どもたちに学校図書館ができること

Tweet ThisSend to Facebook | by 千葉支部

日時;2019年3月3日(日)10001430 
会場;船橋市勤労市民センター 3階 第三会議室
講師;野口武悟氏(専修大学教授)
参加者;31

 

いま学校図書館では特別な支援を必要とする子どもたちに、具体的にはどんなサポートをしていけばよいのでしょうか。今回は、学校図書館での合理的配慮について多数の著書がある野口武悟先生に講演していただきました。午後は、講演を受けて、自分の関わる学校図書館をふり返り、グループ討議を行いました。

 

◇午前の部;講演~特別な支援を必要とする子どもたちに学校図書館ができること

☆最初に、いま特別な支援を必要とする子どもたちは誰なのか具体的な数字と実例をあげて思わず頷く納得のお話を伺いました。

1.はじめに
  
多様な児童生徒の実態

  ・障害がある児童生徒(可能性を含む)は約10%(義務教育段階)

  ・日本語指導が必要な児童生徒も急増

  ・貧困が読む力(読解力)に影響

   →通常の図書館サービスや資料の利用ができない人々に対しては、特別のサービ
           スや資料が提供されなければ
ならない(『ユネスコ・IFLA共同学校図書館宣言』
           1999年)

  合理的配慮の義務化(20164月)を生かして上記を実践していく


☆次に「合理的配慮の義務化」の法制化にいたる流れについてご説明いただきました。




2.ノーマライゼーションとインクルーシブ教育の潮流

ノーマランゼーション・・・ 1960年代にデンマークのバンク・ミケルセンらにより提唱さ
                                       れた思想。障害をもつ人を他の市民
と対等平等に存在させ
                                       る社会こそノーマルであり、そのような社会に変革していく。

  障害の個人モデルから社会モデルへ→障害は社会・環境の側にあり、それを取り除く
    のは社会の責務

             ∴ 障害は、利用者ではなく、図書館側にある

  実践的方法としてのインクルーシブ教育

   インクルーシブ・・・包みこむ包含する

   バリアフリーとユニバーサルデザイン(UD)も重要

 
3.障害者差別解消法の施行と合理的配慮の義務化

  合理的配慮とは・・・障害者一人ひとりの意思の表明(ニーズ)をもとに場面や状況に応じた変更や調整を体制や費用などの負担がかかりすぎない範囲において行うこと

  障害者差別法の要点

   →合理的配慮を的確に行うための「基礎的環境整備」(事前的改善措置)に努めるよ
    う求めている

 

☆さらに学校図書館では何ができるのか、具体的な方策を提示していただきました。

4.学校図書館における基礎的環境整備と合理的配慮

  基礎的環境整備の例

   ・職員の意識と理解の向上

   ・施設・設備・サインのバリアフリー化の推進

   ・読書補助具や機器の導入

    →リーディングトラッカー(タイポスコープ)、拡大鏡、拡大読書器、書見台等
  
・アクセシブルな資料の収集と提供

    →点字、録音、大活字本、LLブック、ピクトグラムつき絵本、音声読書機、マルチ
         メディアDAISY、わいわい文庫活用
術、BEAM、大きな文字の青い鳥文庫、
    手話絵本、布の絵本など

      〇ピクトグラムはJISで公開されているものがネットからおとせる。

〇災害時のコミュニケーションボードはパウチして便利に使いたい。

    資料の例;

 『いっぽんのせんとマヌエル』マリア・ホセ・フェラーダ著 偕成社

 『仕事に行ってきます①クッキーづくりの仕事』
        編集企画・文:季刊『コトノネ』編集部 埼玉福祉会

『わたしのかぞく』(LLブック)藤澤和子著 樹村房      

    

    合理的配慮の例

     →職員による個別のさまざまな支援

     →資料の貸し出し期間の延長や貸し出し点数の拡大

     →資料の対面朗読(代読)の提供

     →資料の制作(点訳、音声訳、拡大訳、デジタル化等)と提供

       著作権法第37条第3項により

      視聴覚障害等で著作物の利用が困難な場合必要と認められる限度において複
          製、公衆送信(タブレットに移すなど)
が可能(学校図書館はできるが学校はでき
         ない。何度でもOK。(20191月マラケシュ条約)

 

5. おわりに
設備、職員研修、環境づくりをしっかり行う。職種をこえた学校関係者の「チーム学校」が鍵。校内にPRするなど、できることから対応を進めていきたい。

 

☆私自身は障害者は障害者、外国籍の子どもは外国籍の子ども、LDADHDLDADHDと区別して考えていました。「特別な支援を必要とする」という意味ではまさにみな同じで目からウロコが落ちる思いでした。それぞれの学校でまずはできることを行い、学区関係者で協力し合って子どもたちを支えあう感覚を大事にしていきたいと思いました。

 

◇午後の部; グループ討議「自分のかかわる学校図書館を振り返る」

 

 5人程度の5つの班にわかれ特別な支援を必要とする子ども」のためにやっていること、これから「やりたいこと」を付箋に書きそれぞれ討議したのちに、模造紙にグルーピングし班ごとに結果を発表していきました。


環境整備では
  
・サイン(大型化、ユニバーサルデザイン、ピクトグラムをつける、床にも添付付など) 
  
・資料収集(LLブック、わいわい文庫、大活字本、点字本、マルチメディアDAYSY)
  
・読書補助具の用意(リーディングトラッカー、拡大鏡、書架カメラ)

人的支援では

・読み聞かせ(個別に、支援級へ、書架カメラを使って)

・貸し出し冊数の拡張

・席に就けない子・落ち着きのない子への個別の対応(話しかけ、本のおすすめ)

 

などが出ましたが大前提として、学校との児童・生徒の情報の共有が不可欠であるとの意見が出ました。学校により取り組み方は様々でしたが、他校の実践を知り自校でも取り入れたいと熱心に情報交換が行われました

 

またお役立ち情報も飛び出しました。以下ご参考まで

〇戸田デザイン研究所の本がわかりやすい

〇『ひと目でわかる!教室で使うみんなのことば』文研出版 がわかりやすい。

第一期5冊 英語・中国語・ポルトガル語・フィリピノ語対応
   第二期4冊 英語・韓国朝鮮語・スペイン語・ベトナム語対応
   


16:44 | 例会報告
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