~岐阜市からちょっと足を延ばして・美濃の国編~
郡上おどり(郡上市)
♪郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる♪という歌詞で知られる郡上おどりは、郡上市八幡町で7月中旬から9月中旬にかけて33夜にわたって開かれる、日本一ロングランの盆踊りです。
おどりの種類は10種類あるのですが、唄も振り付けも覚えやすく、地元の人も観光客も一緒になって踊ることができます。レンタルゆかたの店や下駄屋さんも町のあちこちにありますので、フラッと行っていきなり参加しても大丈夫。そして、上手に踊れると保存会の方から免許状がもらえます。
白鳥おどり(郡上市)
郡上市北部にある白鳥(しろとり)町でも、同じような日程で「白鳥おどり」が開かれます。「切子」と呼ばれる盆灯篭を灯し、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
おどりの種類は8種類ですが、アップテンポで軽やかなものが多く「郡上踊りが4ビートなら、白鳥おどりは16ビート」とか「下駄のタップダンス」とか言われています。
八幡町の郡上おどりも、白鳥町の白鳥おどりも、8月13日~16日までは徹夜おどりが開催され、老若男女問わずエネルギッシュに踊り明かします。
観光列車「NAGARA」(長良川鉄道)
美濃加茂市の美濃太田駅から、郡上市白鳥町の北濃駅までを結ぶ長良川鉄道の観光列車です。デザインはあの水戸岡鋭治さん。単なる移動のための手段ではなく、列車に乗る時間そのものが楽しくなる工夫が随所に凝らされています。金曜・土曜・日曜・祝日を中心に運行されています。
「奥の細道」むすびの地(大垣市)
江戸・深川から奥州を経て、150日以上にわたって、俳句を詠みながら旅をした松尾芭蕉。紀行文『奥の細道』にまとめられたその旅の終わりは岐阜県大垣市でした。大垣市内には「奥の細道むすびの地記念館」があり、趣向を凝らした展示で『奥の細道』と松尾芭蕉について理解できるようになっています。
なお、館内では、大垣市が舞台となっているマンガ『聲の形』の聖地巡礼マップの配布も行っています。
養老公園(養老郡養老町)
元正天皇がこの地を行幸して霊泉に体を浸したところ、病気が快癒したため、元号を「霊亀」から「養老」に改めたのが西暦717年のこと。のちに「親孝行な息子が山へ薪を取りに行ったところ、岩の間からお酒が湧き出ていたので持ち帰って病気の父親に飲ませたところ、たちまち快癒した」という孝子伝説が生まれます。今は残念ながらお酒は湧き出ていませんが、養老山地から湧き出る美味しい水を使った地酒「醴泉」は、上品な香りと柔らかい味わいで、いくらでも飲めてしまうお酒です。
改元と孝子伝説の由来になった養老の滝は、養老公園の中にあります。春は桜、夏は森林浴、秋は紅葉、冬は周辺の店でシシ鍋と、四季折々の楽しみ方ができます。広大な公園には、滝のほかにもアスレチックやパターゴルフ、テニスやキャンプが楽しめるスペースや、荒川修作氏の構想を公園にした「養老天命反転地」もあります。アウトドアのお好きな方におすすめ。
関ヶ原古戦場(不破郡関ヶ原町)
教科書で必ず見かけるこの地名。戦国時代最大級の激戦が繰り広げられた「関ヶ原の合戦」の古戦場があります。あんなに有名な合戦なのに、こんなに地味でのどかな場所なのかと、あっけにとられること請け合いです。陣地跡などは点在しているため、史跡巡りにはレンタサイクルがおすすめです。史跡では、歴女と思しき娘さんたちが、うれしそうに佇んでいるのをよく見かけます。
「関ヶ原町歴史民俗資料館」では、合戦に関する展示が見られますが、特筆すべきはミュージアムショップで、歴史好きにはたまらない、戦国武将グッズ各種(家紋入り文房具各種から、戦国BASARAまで)を取り揃えています。
同じ町内には、関ヶ原合戦をコンクリートの人形で再現した、「関ヶ原ウォーランド」があります。合戦時にはもういなかった、武田信玄なども混ざっていたりして、「探偵ナイトスクープ」の言うところの「パラダイス」感満載の施設です。なお、展示されているコンクリート像は、マニアックな人気を誇る、浅野祥雲の手によるものです。
他にも、応仁の乱に関連したものや、不破の関といった、日本の歴史の重要拠点であったことをうかがわせる史跡が、町内に点在しています。