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2012/03/31

例会報告2012年3月-学校司書と共に歩む&交流会

Tweet ThisSend to Facebook | by 千葉支部
日時;2012年3月18日(日)10:00~14:30
会場;千葉市ビジネス支援センター
参加者;49名
 昨夏の日本子どもの本研究会主催『子どもの本全国研究集会』において、永井博子先生の発表を勉強させていただいた会員から、千葉支部でもお話を伺いたいという意見が出ていました。その永井先生が、前回の例会に参加、入会もしてくださったので、これはぜひ、とお願いして今回の講演が実現しました。
 講演は、学校司書が多い私達の会にあわせて『学校司書と歩む』というテーマにしてくださり、千葉市の中学校で学校司書と共に実践された、たくさんの事例を披露してくださいました。関わった学校司書さん達からもお話を伺うことができました。また、お土産として永井先生特製『学校図書館DIARY』をいただきました。
 午後はグループ討議で『司書と先生のコミュニケーションのとり方』。それぞれ盛り上がりました。



【講師 永井博子氏】
千葉市の中学校国語科教諭。司書教諭としてキャリアを積む。平成23年度千葉市立稲毛高等学校附属中学校に異動。中学2年と高校1年の国語科担当・司書教諭。平成23年度日本子どもの本研究会全国研究集会で発表。

◇講演:学校司書と共に歩む
●はじめに

 教育困難校での在職時、50分間をいかにもたせるか苦労した。導入がポイントであると痛感しているので音楽をかけて気持ちを切り替えさせることがある。研究発表でも音楽をかけることがあるが、今回はそれをせずじっくりお話したい。
 千葉市立T中学校から司書教諭となった。自分自身は学生時代、学校図書館に通う方ではなかった。なぜなら、静かにしなければならない、おしゃべりできない場所だったから。今、生徒達には義務教育の間にいろいろなタイプの学習形態を学ばせたい。そして学校図書館でも『充実感・達成感・満足感』を実感してほしいと思っている。

*本日の裏テーマ~上からヒロコのギリギリ学校図書館戦略術~
●連絡ノートの活用

 千葉市立O中学校時代、4小学校の学校図書館指導員(以下指導員)が1日交代で来ていたため『連絡ノート』を作っていた。多人数で関わるため、”誰でもできることを誰でもやらねば。特別なことをやっていてはダメ”ということを学んだ。
●2012年2月26日(日)読売新聞記事『国公立大学二次試験問題:復興支援について字数無制限で・・・』
 入試問題が変わってきた。そこで高校でも対策を講じている。
例;高1社会夏休みの宿題;岩波ジュニア新書を読んでレポートを書きなさい。
 生徒から「書き方がわからない」と質問がくる。そこで2点アンケートをとってみた。
①中学生の時、図書館を使った授業を受けたことがあるか?
 ある:30%
(内容;社会・理科・・・中には「何でもいいから読みなさい」と言われたという生徒も)
②中学生の時、新聞を使った授業を受けたことがあるか?
 ある:24%
(社会で記事を切り抜いて集めた・国語で漢語和語外来語を抜き出す等)
*新聞という教材は教師の力量が問われる。
*何事も積み重ねが大事である。
●小4と小6の国語教科書比較
 同じようなテーマの単元でも発達段階に応じて使う文言が変わる。
 小5の国語では新聞の構成について学習する。=新聞が重要視されている。
●新年度から中学校では新学習指導要領実施。授業時数が増える。
 益々忙しくなる中で、先生方に図書館を使ってもらうため、こんな声かけはいかが?
「先生なら図書館を使っていただけるかと思って」
「私も生徒なら先生の授業を受けたい!」
「学校図書館に関係なくても良いので、授業で使ったプリントをください」

●授業で学校図書館を活用する 
 青年海外協力隊でグアテマラから帰ってきた職員がいたので、その民族衣装を借りて文化祭で指導員4人がブックトークを行うという企画を立てた。(内容;グアテマラの紹介・海外で働く人・野口英世・マザーテレサ等)
 入念な計画を立てていたのに、直前になって時間の都合でカットされそうになった。学校行事で行うのは危うさがある。やはり授業で活用することが大事である。
●俳句の授業
 
教師が俳句の形式を説明した後、指導員が俳句のブックトークを行った。(指導員4人がそれぞれ本を10冊。俳人の生い立ちや俳句紹介。小道具として携帯電話に鳥の鳴き声を入れて使用。)
[この授業のねらい]
・俳句への抵抗感をなくす・歳時記を使用する・ポスターセッションの原稿を書く
⇒当時一緒だった指導員さんのお話
 グアテマラのブックトークは、年度当初に永井先生から企画の説明があり、夏休みに指導員4人と先生が何度も集まってパワーポイントのプレゼンを作成したり、衣装合わせをしたりした。
 俳句は研究授業だった。事後研には指導員も参加した。大変だったがやり甲斐もあった。
●M中学校での実践
・書架に本がばらばらに並んでいたので、分類番号順に並べなおすことから始めた。
・朝の読書の読書記録用に、図書館だよりに、カレンダーをつけ、何日に何を読んだか記入できるようにした(学校図書館ダイアリー)。
→先生がチェックする。

・中学2年にお誕生日の新聞を使って授業をした。
・卒業論文作成
 千葉市立中央図書館の団体貸出を利用して資料を集めた。
 万葉集・古今和歌集・現代の詞(詩)の中から自分のテーマにあわせて選んで用い、原稿用紙平均9枚にまとめた。

・オリエンテーション後の調べ学習演習
 中学1年で1回調べ学習をやっておくと、その後他教科でも応用が効く。
 オリエンテーションが終わった後の自習時間を使い、図書館で調べ学習を行う。

 各テーブルに一つお題を設定し、調べさせる。
⇒卒業論文の支援をした指導員さんのお話
 1年生の時から永井先生が指導してきた生徒達だったので、書くことに抵抗感がなかった。自分で探して見つけたことが充実感につながった。
⇒市立図書館の司書さんのお話
 永井先生がM中学校在職時、中1へのブックトークを行い、SLA全国大会静岡大会では、公共図書館との連携で発表した。
 先生達は地元の図書館を知らない方が多いので、学校司書が仲立ちになってくれるとよいと思う。
●教職員への支援;教育実習生に図書館オリエンテーション
 永井先生は道徳担当だったので、その残り時間で指導員がオリエンテーションを行った。
●現任校での実践
高1朝のコラム学習:夏休み前、永井先生が戦争関連のブックトーク
トランクの中の日本-米従軍カメラマンの非公式記録(ジョーオダネル著/小学館/1995)
青い鳥文庫白旗の少女(比嘉富子著/講談社/2000)
⇒『白旗の少女』の表紙写真への反応に発達段階の違いを感じた。
:中2「この子だれ?」「この旗は何?」「この本読んだことある」
:高1「誰が撮った写真?」
・異学年交流
 中2が自然教室に行った後作成した新聞を中1が採点する。
・中学生に学習指導要領を読ませた。
 それによって、自分がなぜこの学習をするのか理解する。
・中2国後『走れメロス』の発展学習;『走れメロス』を使って映画を作ろう!
 配役きめ・脚本書き・ポスター作成・・・実物のポスターを見せて、観客層に合わせたものを作るように。
 生徒からの質問;「ミッキーやキティちゃんを出してよいか?」
 ⇒著作権協会から資料を送ってもらい、20分位指導時間を設けた。
・新聞を使って
①社説の記事に見出しをつける宿題を出している。
②中2の国語で自転車のマナーについて取り組み、読売NIE投書欄に投稿、2名の意見文が掲載された(2012/1/28朝刊)。

●永井先生お勧めの本
震災句集(長谷川櫂著/中央公論新社/2012)
震災歌集(長谷川櫂著/中央公論社/2011)
小学館文庫 ドラえもん短歌(枡野浩一著/小学館/2011)
文春文庫 池上彰の新聞勉強術(文藝春秋/2011)
講談社の創作絵本 新幹線のたび はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断(コマヤスカン著/講談社/2011)

●さいごに上からヒロコのギリギリ学校図書館戦略術~
・戦略1 戦略DIARYを見るべし
・戦略2 図書館だよりを活用すべし
・戦略3 教科担任を活用すべし
・戦略4 ビッグウェーブに乗るべし
   (*今年ならオリンピック、日食、創立○周年など)
・戦略5 仲間と交流するべし(*情報交換)
・戦略6 財産(記録)を蓄えるべし

 この後、質疑応答、午後はグループ討議で『司書と先生のコミュニケーションのとり方』を話し合いました。参加者は皆、永井先生と一緒に学校図書館を作れたらどんなに楽しいだろうと羨ましく思いつつ、先生から伺った数々のヒントを活かしていこうと思いました。

20:22 | 例会報告
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