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2011/12/31

例会報告2011年12月-新学習指導要領と学校図書館

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日時;2011年12月25日(日)10:00~14:30
会場;千葉市ビジネス支援センター
参加者;33名
 2011年8月、例会後の事務局会議で、今年度小学校では教科書が変わり、図書館での調べ学習も昨年度までと変わってきたという話が出ました。学校司書は、教師ではありませんが、学習内容を知っていないと、せっかく資料を集めても、ピントのずれたものになってしまう可能性があります。
 そこで、新学習指導要領についてもっと知ろうということになり、8月の例会に参加してくださった中山美由紀さんにお願いし、講演していただくことにしました。
 午後は『調べ学習事例』を持ち寄って、グループ討議を行いました。



【講師 中山美由紀氏】
元私立高等学校専任司書教諭、その後千葉市学校図書館指導員として小中学校に勤務。東京学芸大学附属小金井小学校司書、聖徳大学他非常勤講師。東京学芸大学学校図書館運営専門委員会の中心として『先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース』の運営に尽力されている。(2011年当時)

◇講演:新学習指導要領と学校図書館
●学校図書館と公共図書館の違いその1

 1999年、千葉市立高浜第三小学校 研究授業(5年生)でブックトーク
Q;人間の誕生についてグループで調べ学習を進めるにあたり、ブックトークを通じて「命」や「誕生」に関心を持たせたい。(理科&道徳&性教育/担任・養護教諭・司書 トリプルコラボ授業)
(*この実践は上記学校図書館活用データベースに掲載済)
 中山さんは高浜第一小学校勤務であったが、一緒に関わった。この実践で、「授業にはねらいがある!」ということを学んだ。
学校図書館と公共図書館の違いその2
 月に一回お話会をし、展示や作業をしてくださる図書館ボランティアに恵まれ、新設の公共図書館に各学年、図書の時間に定期利用する小学校図書館に勤務。
「さて、私(学校司書)の仕事は何だろう?」
→読み聞かせを工夫したり、授業との連携を行ったり、公共図書館での利用指導(クイズ形式の図書館オリエンテーリング)を考えたりした。
図書館クイズは、ボランティアにあらかじめやってもらって確認、当日も子どもたちのサポートをしてもらった。
●教科書の中の学校図書館と情報教育
 平成14年度、千葉市で採択された小中学校の教科書の中から、図書館や情報活用能力に関わる記述を調査した。
・授業の中で図書館利用教育を指導できる可能性
・各授業での学校図書館との連携・協働の必要性
(『日本図書館協会 学校図書館部会報21号』p5~7 /2003年3月発行)
●「学習指導要領からみる学校図書館-教育の情報化の進展の中でー(特集 図書館の動向を探る)
 2003年12月に学習指導要領の一部改正があり、学校図書館は学習情報センターと読書センターの二つの機能が明記。
 あらゆる教科における情報活用能力の育成!
 学校図書館は、情報の収集や発信のみならず、情報を読み解く『ねらい』と『方法』を持った新しい読書活動の展開も期待されるべきであるとした。(調べ学習の土台は読書活動という指摘)
(『図書館雑誌Vol.98(5)p276~277 /2004年5月)
●Big6スキルズモデルを元に『小学生のしらべるかつどう6ステップ』を作成した。
 課題をみつけ、調べ、まとめ、発表はするが、「6.ふりかえる」が抜けている日本。本来、スパイラルに次の活動へつながるべき「ふりかえり」。
●新しい学力観
 これまでの「学力」は、「知識・理解・技能」。
 新しい「学力」は、生きて働く力としての諸能力:「学ぼうとする力」(意欲)
「学ぶ力」(学び方)「学んで得た力」(知識)。
 横断的総合的な力は図書館の得意とするところ!
●1989年(平成元年)改訂『新学力観』
 自ら学び、自ら考えることを重視する新学力観『生きる力』
●カリキュラム教育課程
「学校において編成する教育課程とは学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を児童の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画である。」(総則解説)
 各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、及び特別活動(各教科・領域)「地域や学校の実態及び児童の心身の発達の段階と特性を考慮して指導内容を組織する。」
●思考力・判断力・表現力+言語活動の充実
⇒OECD  PISA調査において日本の子ども達の弱点と指摘された学力・・・自分の意見を書けない「表現力」
 各教科においての「思考力」「判断力」「問題解決能力」⇒「表現力」は?
 理科・体育・社会・国語・・・
 学習指導要領、国語の「読む力」はこれでいいか?(スキル偏差値?)
●「これからの時代に求められる国語力について」
   (平成16年2月文化審議会答申)2004年
 
これからの時代には、これまで以上の国語力が必要(考える力、感じる力、想像する力、表す力等)。
 目標「自ら本に手を伸ばす子どもを育てる」
→達成には「国語教育」「読書活動」
 国語科以外の教科でも国語力の育成を
 学校図書館に「人がいる」ことが大切!(中村和弘准教授の指摘)
●小中学校の授業時間数を見てみると
 小1では国語が36.0%であるのに対し中3では10.4%。理科は学年が上がるにつれ、増える。
 中学校の司書は、領域:道徳や総合的な学習、学級活動で担任と連携しやすいのではないか。
●小学校の図書の時間
 教科・領域にはない。学習指導要領にない。各学校の裁量(どこかの教科・領域に含まれている)。週1時間 年間35時間
 子どもにどんな力をつけられるのか;「目標とねらい」がなければ淘汰される。
*図書の時間がないなら いつどの教科・領域でできるか
●学習指導案に『図書館のねらい』
 12月23日に行われた第3回『先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース』報告会において、松江市立揖屋小学校の実践発表が行われた(事例アップ予定)。その中で国語科1年生『ねことねっこ』の学習指導案『単元の目標』には、教科のねらいとともに図書館のねらい書かれている。
●総合的な学習の時間
1989年(平成元年)改訂 
新学力観
1998年(平成10年改訂)
「総合的な学習の時間」の設置
 自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること
横断的・総合的な課題/興味関心に基づく課題/地域や学校の特色
*この移行期に、社会復帰し高浜第一小学校の研究授業に関わった。
●総則 指導計画の作成等にあたっての配慮すべき事項
 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、児童または生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。(小中高)
●総合的な学習の時間 指導計画の作成と内容の取扱い
 学校図書館の活用他の学校との連携、公民館、図書館、博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携、地域教材や学習環境の積極的な活用などの工夫を図ること。(小中高)
●特別活動>学級活動(HR活動)に注目!
第2の2の(2)日常生活や学習の適応及び健康安全
オ.学校図書館の利用
●年間のどこで、どの授業に入れてもらうか
・時間割にはいる
・総合学習ではいる
・どこかの単元ではいる
●手がかりは教科書!
・学習指導要領・その学校のカリキュラム・「聞く・話す・読む・書く」言語事項を各教科で展開
※後記:今回の学習指導要領の6つの充実に関して
①言語活動の充実 ②理数教育の充実 
③伝統や文化に関する教育の充実 ④道徳教育の充実
⑤体験活動の充実 ⑥外国語教育の充実

 言語活動のみならず、他の5柱それぞれにも図書館が関われるミッション(戦略)を持とう!
【参考】
文部科学省 新学習指導要領・生きる力(本文・解説・資料等)
文部科学省 新学習指導要領・生きる力
●以上は3月11日まで思っていたこと
「平成の黒塗り教科書」のような事態が起こっていなかったか
平成23年行政事業レビューシート(経済産業省)
 学校で子どもや教員の情報を司る者としても-市民としても、情報リテラシーを問われている・・・・
●現代的な教育課題への対応
・学習指導要領の改訂
・学力観の革新
・知識中心の学力から思考力重視の学力へ
・授業での読書・学校図書館活用
・インフラとしての事例データベース構築
 →東京学芸大学のデータベース

☆最後に本の紹介
野川(長野まゆみ著/河出書房新社/2010)
 「語る」ということ「読む」ということの充実はこちらでいきたいと、ホタルの飛び交う風景描写を朗読してくださった。

*質疑応答*
Q;『小学生のしらべるかつどう6ステップ』は、昨年千葉支部でも講演していただいた桑田てるみさんの『6ステップ』と同じですか?
A;同じではないです。基になっているのはアメリカの探究学習のプロセスモデルの『Big6 skills model』という点では同じですが、これを参考に小学校用に言葉を
あてて作成しました。イラストは高校生が描いてくれました。

 午後は調べ学習事例(事前に宿題として課していた)を持ち寄り、グループ討議しました。
 参考資料として、『学習用ブックリスト作成のための授業者への聞きどころ』(平成22年度『学校図書館との連携による学習支援プロジェクト』国立国会図書館国際子ども図書館)を配布しました。
 非常に内容の濃い例会となりました。

15:06 | 例会報告
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