文化審議会著作権分科会法制度小委員会「図書館関係の権利制限規定の見直し(デジタル・ネットワーク対応)に関する中間まとめ」に対する意見2020年12月21日に学校図書館問題研究会として、下記のパブリック・コメントを提出しました。
2020 年 12月 21 日
学校図書館問題研究会
文化審議会著作権分科会法制度小委員会「図書館関係の権利制限規定の見直し
(デジタル・ネットワーク対応)に関する中間まとめ」に関する意見
学校図書館問題研究会では、第31条の「図書館等」に学校図書館を加えることについて、9月26日に要望書を提出し、また10月20日には、想定される具体的事例についてもお送りしたところです。
それらにも書きましたとおり、学校図書館では第35条に該当しない利用も多くあり、そうした場面では、学校図書館が著作権法第31条の「図書館等」に含まれていないため、複写の要求に応えることができない状況にあります。それゆえ私たちは、第31条の「図書館等」に学校図書館を追加していただくことを要望します。
理由は以下のとおりです。
・授業には該当しない、児童生徒自身の興味関心による読書や調査も、子どもたちの成長と発達に必要不可欠な活動である。学校図書館がその活動を支援し、児童生徒の知る自由を保障するために、複製物の提供は欠かせないサービスの一つである。
・学校図書館は、児童生徒にとって一日の大半を過ごす学校にある身近な図書館である。公共図書館が近くになく行くことができない児童生徒もおり、学校図書館が第31条にもとづく複製ができる意義は大きい。
・教職員は、授業に該当しない児童生徒の活動を指導することも少なくない。また、教育活動を豊かなものにするためには、さまざまな研究が必要である。教職員のこうした活動に対しても、学校図書館が複製物を提供することができる。
・学校図書館も絶版等で入手困難な資料や貴重な資料を所蔵しており、それらを保存したり、他の図書館等へ提供したりするために複製することができる。
・学校図書館においても、国立国会図書館により自動公衆送信されたデジタル資料を印刷して提供することができるようになり、児童生徒の学びや教職員の研究を深めることに資することができる。
・児童生徒や教職員にとって、学校図書館で法律に沿い著作権に配慮した複写サービスが受けられることは、著作権に対する意識の向上や、生涯学習における著作物の倫理的な活用につながる。
なお本会では、今後もこの件に関して文化庁に学校図書館現場の情報を提供し、意見をお伝えしたいと考えています。
以上
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