2012年7月6日の読売新聞報道等で報じられている学校司書法制化の動きを受け、第28回大会(福島大会)では緊急ナイター、総会などでこの問題について討議を重ね、以下の大会アピールを採択しました。
学校図書館問題研究会 第28回全国大会(福島大会)大会アピール
すべての学校図書館に、
専任・専門・正規の学校司書を求めます
学校司書法制化の動きに対し、学校図書館問題研究会は以下のアピールをします。
現在、保護者や教職員・住民による強い願いと自治体の努力により、少しずつですが学校司書の配置が進み、充実した学校図書館サービスによって豊かな教育を受けられる子どもたちが増えてきています。その一方で、学校司書がいないために、鍵が閉まっている、古い本ばかりで新しい本が入らない、本がどこにあるか分からない、授業で利用ができないなど、学校図書館のサービスを受けられない子どもたちが多くいます。これは、重大な教育格差です。
学習指導要領でも、すべての教科で、読解力や言語活動の充実を求められていますが、先生がこうした授業をするためには、学校図書館の働きが欠かせません。
また、情報の飛び交うこれからの社会を生きてゆく子どもたちに、情報活用能力=「生きる力」をつけていくことも、今、学校図書館に求められています。 これらのことを達成するためには、次のような専門性を持った学校司書が必要です。
- 日常的に一人ひとりの知りたい気持ちや読みたい気持ちを刺激して、資料や情報をしっかり提供する。
- 利用者である子どもや先生たちから求められた資料を、出来る限りの手段を使い提供する。
- 教育課程を把握し、先生と共に授業をつくる。
- 学校の教職員として、子どもたちの成長に責任を持つ。
こうした学校司書であるためには、専任・専門・正規であることが必要です。
なぜならば、
★専任でなければ、子どもたちがいつでも利用できる学校図書館はできません。
★専門でなければ、子どもたちや先生が授業で使える学校図書館はできません。
★正規でなければ、先生と共に、時間をかけて子どもの成長に寄り添うことができません。
教育格差をなくし、子どもたちが学校図書館を使って豊かな教育を受けられるように、すべての学校図書館に、専任・専門・正規の学校司書を求めます。
2012.8.4
学校図書館問題研究会第28回全国大会(福島大会) 参加者一同
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